MHD/流体モデル研究開発状況:2001年10月

「地球磁気圏のMHDモデルとVRMLによる可視化ソフトウェアの開発」

荻野竜樹 名古屋大学太陽地球環境研究所
Tatsuki Ogino (Solar-Terrestrial Environment Laboratory, Nagoya University)


科学技術振興事業団:計算科学技術活用型特定研究開発推進事業
「宇宙シミュレーション・ネットラボラトリーシステムの開発」

(MHD/流体モデル班)

  荻野竜樹(名古屋大学太陽地球環境研究所)
  品川裕之(名古屋大学太陽地球環境研究所)
  上出洋介(名古屋大学太陽地球環境研究所)
  田中高史(郵政省通信総合研究所)
  渡部重十(北海道大学理学研究科)

1.JSTプロジェクトの全体計画と了解事項 (1) 天体シミュレーション実施支援システム 国立天文台に設置 (2) スペースプラズマシミュレーション実施支援システム 京都大学宙空電波科学研究センターに設置 (3) ネットワークを介して両者を共有化するシステムを開発    システムとしてインテグレーション (4) 各研究グループから利用(共有化) 2.MHD/流体モデル班の研究開発目標 (1) 標準MHD/流体コード開発   ・班員がコンプリートコードを提供 (2) インターフェイスの開発   ・外から利用できる環境を整備、入力パラメータの設定等   ・ネットワークを通しての計算実行依頼と結果の取得 (3) 共通データ解析システムの開発   ・AVSによる共通化   ・VRMLによる3次元可視化ツールの開発・提供 (4) コンテンツの作成と共有データベース化 (5) 教材や知的データベースの作成 3.標準MHDコードと3次元可視化ツールの研究開発計画と内容   荻野竜樹(名古屋大学太陽地球環境研究所) (1) 平成12ー14年の3年計画の研究開発目標 ・標準MHDコード公開とネットワーク利用 ・VRMLによる可視化の統合(netVR, Web3D) ・地球磁気圏のグローバルMHDシミュレーションによるコンテンツの作成 ・MHDシミュレーション教材や知的データベースの作成 (2) 平成12年度の研究開発内容 ・一つの標準MHDコード開発・提供 ・VRMLによる可視化ツールの開発と標準化 ・ネットワークと通しての利用促進 ・地球磁気圏における磁気リコネクションの研究 ・観測データをインプットとした地球磁気圏のシミュレーション 4.標準MHDコードと3次元可視化ツールの研究開発状況と今後 (1) 平成13年度の研究開発状況   ・標準MHDコード開発・提供 一つのコンプリートMHDコードを説明を付けてWebで提供   ・VRMLによる可視化ツールの開発と標準化・提供    「VRMLの利用方法」の第0版のマニュアルを作成   ・標準MHDコードと可視化プログラムを収めたCD-Rを作成   ・太陽風と地球磁気圏電離圏相互作用の3次元グローバルMHDシミュ  レーションへの適用方法とその例、及び作成したコンテンツの提示    5.VRMLによる3次元可視化ソフトウエアの研究開発 (1) VRMLに直結したスペースシミュレーションデータの3次元可視化方法 の確立と得られたコンテンツを即座に呈示するための具体的研究開発内容 ・フォートランとC言語によるVRMLコンテンツ作成用のインターフェ ースサブルーチンパッケージを作成 ・スペースシミュレーション3次元データを入力として、上記のパッケー ジを組み合わせた応用プログラムを作成して、動画作成とマルチメディ アとの融合を含んだ3次元可視化のためのVRMLファイルを作成 ・従来から利用してきた、3次元画像処理用ソフトウエアによる画像ファ イル間の変換、及びVRMLファイルとの間のファイル変換ツールを開 発して、VRMLファイルの効率的な作成環境を実現 ・スペースシミュレーションの3次元データの可視化と呈示に適用して、 開発するシステムの有効性を実証し、シミュレーション結果を開示 6.標準MHDコードと3次元可視化ツールの研究開発での今後の課題 (1) ネットワークで標準MHDコードと3次元可視化ツールを利用できるようにする ・インターフェイスの開発     外から利用できる環境を整備、入力パラメータの設定等     ネットワークを通しての計算実行依頼と結果の取得 (2) 京都大学宙空電波科学研究センターでのインテグレーション   ・どう実現するか、共同作業が必要と思われる   ・HPF/JAを用いた地球磁気圏の3次元MHDコードを実行    (PCクラスターを用いてのシミュレーションの実行) (3) VRMLによる3次元可視化ソフトウエアの継続的研究開発と提示   ・京都のシステムにどのように組み込めるか   ・ボリュームレンダリング等ソフトウエアの充実   ・C言語によるソフトウエア(?)   ・バーチャルリアリティ(VR、立体視)への発展 7.MHD/流体モデル班の今後の課題 (1) 班員の標準MHD/流体コードのまとめ・提示・提供   ・標準MHD/流体コードの全体の概要   ・最初から一人で自習して学べる教材を提供 (2) 京都大学宙空電波科学研究センターでのインテグレーション (3) MHD/流体モデル班での教材や知的データベースの作成   ・インターネット教材   ・MHD/流体モデル関係のバーチャル科学博物館