Solar Flare Telescope
[Japanese/ English]

[太陽フレア望遠鏡で得られた観測結果]
ベクトル磁場観測
Magnetograph

T1ベクトル磁場望遠鏡(口径20cm)

スペクトル線のゼーマン効果による偏光を利用して太陽表面の磁場ベクトルを観測するための望遠鏡です。この効果を利用して太陽表面の磁場を観測する装置をマグネトグラフといい、世界各国の天文台で約10台ほどが使われています。

フレア望遠鏡ベクトル磁場望遠鏡の特徴は、狭帯域の複屈折フィルターとCCDを用いることにより一つの領域の観測を約1分の時間で完了できることです。これによりフレアにともなう速い磁場の変化を観測できるようになりました。なお、観測するスペクトル線は6303Åにある鉄の吸収線です。

得られたデータはCD-Rに記録されます。


連続光観測
Sunspot

T2 連続光望遠鏡(口径15cm)

黒点や白斑領域、白色光フレアなどを観測することを目的とした望遠鏡です。黒点が最もよく見える緑色のフィルターや、黒点周りの白斑領域の観測に適した4300Å付近のCH分子のGバンド光を見るフィルターなどを、ターレットにより切り替え観測します。


Hα観測

T3 Hα望遠鏡(口径15cm)

水素が出すHα線(6563Å)により彩層とフレアを観測する望遠鏡です。ドイツ・Zeiss社の複屈折フィルターを利用することにより、Hα像を取得します。このフィルターは透過波長幅が0.25ÅでHαの中心から±16Åまでの範囲で観測波長を自由に設定できるものです。

得られたデータはタイムラプスビデオレコーダーに1秒に1枚の割合で録画するとともに、10秒に1枚の割合でレーザーディスクに記録してきました。

2001年7月より、高速CCDカメラを用いたデジタル観測になりました。これにより、より精度の高いデータを取得することができるようになりました。ハードディスクに一時保存されたデジタルデータはその日の観測終了後にCD-Rに記録されます。

左のイメージはデジタル・システムにより観測されたフレアの画像です。「ムービー」をクリックするとフレアの時間発展を動画で見ることができます。


速度場観測
Velocity Field

T4 速度場望遠鏡(口径20cm)

ドップラー効果により速度場を求める望遠鏡です。ベクトル磁場望遠鏡と同様に複屈折フィルターを用いることによって像を取得します。観測するスペクトル線は6337Åにある鉄の吸収線です。また速度場の観測だけでなく円偏光の観測から視線方向の磁場を得ることもできます。


Back